大豆は世界を救う
イタリア人は豆好きである。これは有名な話だが、実は収穫月シェフも無類の豆好きなのである。ちなみに昨日の晩ごはんは枝豆、冷奴、納豆、みそ汁とメインのおかず以外は豆を使ったものでかためられている。
僕は時々すごい不安にかられることがある。もしこの世に豆(特に大豆)がなくなったらと、これを考えると夜も眠れない。醤油や味噌といった日本を代表する調味料がなくなるし、豆腐も食べれない、正月に煮豆(黒豆)を食べれなくなる。
話は変わるが、僕の母は毎年黒豆を作るのだが必ず失敗する。で、去年は失敗するのは豆が悪いという結論に至り、最高級の丹波黒豆を購入し意気揚々と黒豆作りにチャレンジした。しかし、結果はいつも同様固い黒豆になってしまった。さすがの母もこれには深く落ち込み、ひと言「もう黒豆作りはやめるわ」と。でも多分年末になると懲りもせずに作り始めると思うが、今年はどんな作戦でいくか楽しみである。
自分の失敗や未熟さを人々のせいや素材のせいにするなど、ほんと誰かさんにそっくりでつくづく親子だなぁと思う。ま、原因はわかっているのだが、つまり黒豆作りは「せっかち」な性格ではできないもので気長にのんびり作ることが大事。誰かよきアドバイスをお願いするところである。
今回のパスタコースは モリーゼ州 にスポットを当てる。この州は、アブルッツォ州から分かれて生まれた一番新しい州。「ズッパ・モリザーナ」モリーゼ風スープという有名な料理がある。ひよこ豆とスカルモッツァチーズのスープで必ずズッパには固くなったパンが入っていて、スープを吸ってふやけたパンが何とも言えずおいしい。
ズッパやミネストラのように具だくさんなスープはお腹もいっぱいになるし栄養もあるし体も温まる。日本でいう豚汁のようなものか。そういえば僕の祖母のみそ汁は具だくさんでみそ汁というよりみそ煮のようなものだった。
そこでみなさんに質問だが、みそ汁の具に2つだけ(ネギは除く)入れるとしたら何を入れますか? ...僕はさつまいもと卵(半熟)がいい。
イタリア人は豆好き!?
「ズッパ・モリザーナ」
ひよこ豆とスカルモッツァチーズとパンのスープ。今回はグラタン仕立てに。
「海老と穴子のサーニェ」
この地方はよくザリガニを食べる。ザリガニの代わりに海老で、ぜひ頭付きを使って。海老のみそからいい味が出る。サーニェは少し厚めのパスタをソースの中で火を通しながら煮込んでいく。パスタにソースの味がしみ込んでおいしい。
「スカルペッレ(ふわふわポテトフライ)」
これといったデザートがあまりない。揚げ菓子というのはイタリア全土でよく見かけるが、モリーゼ州のはじゃがいものピュレを混ぜこむところに特徴がある。素朴だが柔らかな食感ともちっとした歯ざわりが昔なつかしいおいしさを思い出す。
次回はアブルッツォ州です。お楽しみに!