Yasuto
Nakahara
________Chef

第2話 パスタ職人のヤス登場

とかくこの世は無駄だらけ。むだ、ムダ、無駄の世の中で泣くのは弱い者ばかり。涙を拭いておいでなせぇ。この世にはびこる無駄を一掃する必殺仕分人 シェフ侍 が斬ってしんぜましょう。

実は今回、ちょっと子供の夏休み宿題の手伝いでおいら手が離せないんで、一番弟子の「パスタ職人のヤス」に代役を頼むことにしたぜ。それじゃあヤス、頼んだぜ。わかりやした親分。安心して子供の宿題見てやってくだせぇ。

さっそく今回の依頼、紹介しやす...
シェフ侍様、どうか僕の話を聞いてください。僕は倉敷市内で「M の月」というレストランを営んでいる者です。今日はマダム(僕の妻でもある)の事でお願いにあがりました。

とにかくこのマダムは、やる気マンマンでお客さんを入れすぎます。二人でやっているのでそんなに入れてもできないといつも言っているのですが言う事を聞きません。おまけに根っからのイベント好きで次から次へと何やらの会を考え出し、やらされます。

さらにパティシエでもあるのでデザートを作ってもらっているのですが、やったらやりっぱなし、片付けず散らかし放題なのです。とりあえず、ひたすらマイペース、最近少し太ってきましたし。あ、これは秘密にしておいてください。

もう限界です、シェフ侍。どうかこの「いけいけドンドン」のマダムをたたき斬ってやってください。あ、でもかわいい所もあるんで軽くお尻ペンペンぐらいでお願いします。

...それはそれは大変なお話でございますなぁ。しかし成敗するのはマダムさんじゃなくて、シェフさんおまえさんの方だぜ。いいかい、よく考えてみなせぇ。今の世の中、こんなに身を片栗粉にして働いてくれる奥さんがどこにいるよ。この人はこの世のすべての女性の鏡だぜ。おめぇさんも少しはこのマダムさんの爪の垢でも煎じて飲んでみやがれ。

聞くところによると、仕事もそっちのけで何やらくだらないブログばっかり書いてるそうじゃねえか。そんなやっちくそもねぇ(岡山弁で くだらない の意)ブログなんか書いてねぇで少しはマダムさんを見習って仕事に精進しな。

それじゃあ、今回特別においらの必殺技で成敗してくれら〜。いくぜ、必殺「いかすみパスタ地獄落とし」...説明しよう、このパスタ職人ヤスが繰り出した技はヤスの得意とするいかすみを練り込んだパスタで相手をぐるぐる巻きにし、それを逆さまにして頭からたたき落とす、という一撃必殺の大技である。世界広しといえどもこの技ができるのはヤスだけである。

完璧に決まったぜ。それじゃあ、帰るとするか。余ったパスタで今日はカルボナーラでも食べるとするか。

必殺仕分人「シェフ侍」

このコーナーではみなさまの周りの無駄で理不尽な話をお待ちしております。なお、今回の話は半分ぐらいフィクションで、登場する人物、団体名は架空のものです。

このコーナーに関する苦情・質問等は一切受け付けませんのでよろしくお願いします。

〜次回予告〜
女必殺仕分人、登場。
はたして彼女の必殺技は... 乞うご期待!