ミッチョン・インポシブル
おはようシェフ君。
さて今回の任務だが、倉敷市内のレストラン「 M の月」で8月末、何やら謎の会合が行われるという情報を入手した。なにせ謎の多い店なので確かな情報ではない。M の月に潜入し、この会合を白日のもとにさらけ出してほしい。非常に危険なミッションになるとは思うがよろしく頼む。なお、いつものように君がこの暑さで熱中症になろうとも、マダムからプッチンプリン禁止令がでようとも当局は一切関知しない。それでは健闘を祈る。この文章は10秒後に消失する...
収穫月10年の歴史の中で門外不出の極秘の会合がある。オーナーである僕でさえその実態を把握しきれていない。だいたい年4〜5回この会を仕切る頭(かしら)のような人から連絡が入り、この人が人数・予算・メニュー(ほとんどカレー)を決め鉄壁の連絡網を駆使し(ちなみにこの人は携帯電話を持っていないらしい)メンバーに伝達するのだ。つまり、店サイドには主導権はなく連絡がくるのをひたすら待ち続けなければならない。
約10人前後の会合になるのだが一人車一台でやって来るので、駐車場がいっぱいになると思いきや6台分のスペースに見事10台入れるという荒技をやってのけ、しかも10人ぐらいいれば1〜2人は少し遅れてきそうだがいつも時間ぴったりにそろい会が始まる。まさに軍隊なみの統率のとれた集団なのである。
残念ながら公表できるのはここまでで、あとは一切極秘事項となる。
倉敷カリー番長編
どこからともなく倉敷カリー番長が登場し、2種類のカリーを作り、ハーフ&ハーフで提供し、みんな辛い辛いと言いながら食べ、おしゃべりに花が咲き、閉会してゆくのである。
倉敷カリー番長は辛いものがあまり得意ではないので、最終的な味見は倉敷カリー女番長、通称「ガラムマサラ ゆか子」がしているらしい。