エゾジカ、たぶん
みなさん、およろこびください。本日、国会にて「シェフ秘密保護法案」が可決されました。これにより、ビッグプッチンプリンレシート・マダム提出義務が解除され、今まで週1コだったものが2日に1コ食べられる予定になります。世のご主人方も私を見習い、この法案を活用してください。ただし連発すると10倍返しされますよ。
で、前回のつづきですが、今日は、X'masディナーのメイン料理「蝦夷鹿背肉のロースト」についてお話しましょう。
映画「ディア・ハンター」で、ロバート・デ・ニーロは「鹿はワンショットで仕留めなければならない」と言ってます。そう、鹿ほどハンターの技量が問われるジビエは他にはいません。
鹿の発見から発砲まで約10秒でおさめ、首のみを狙って仕留める、いわゆる「ネック・ショット」。鹿を苦しませることなく即死させる。
鹿は大変臆病な生きもので、パニックで暴れた鹿は肉が発熱し膨張、結果的に一度加熱されたようにぼそぼそになります。さらに、すぐ内蔵をぬき、血抜きする。これが遅れると独特の獣臭さや生臭さが残る。
つまり、銃の腕前とすばやく肉を解体できる技術が必要とされる。そして最終的に私が行きついたのが、北海道白糠町にいらっしゃる松野さんというハンター。
もう10年来のお付き合いで、彼の鹿なら自信をもって舌の肥えたMの月のグルメな方々も満足してくれるでしょう。
そうしてはるばるやってきた鹿肉を私が丁度食べ頃まで熟成させ、ベストな状態で提供できるようもっていきます。
次回は、魚料理「オマール海老のアンサンブル」です。
お楽しみに…
X'masディナーのメイン料理
「蝦夷鹿背肉のロースト」
調理法はシンプルに、ロース肉をローストする。鹿肉で最も難しいのは火入れ。
少し焼きすぎるとレバーのようにパサパサになるので、ミディアム・レアあたりで仕上げましょう。
ソースは王道の「ポワブラード」、黒こしょうとビネガーのマリアージュ。
何とも言えないこのおいしさ、
鹿だけにシカと見よ!
それではサザンオールスターズのエロティカ・セブンのさびの部分「ワレはエロティカ〜エブン」をアレンジして、「あれはエゾジカ〜たぶん」でいきましょう。