シェフの一分(いちぶん)
一分(いちぶん)...その人の面目、それ以上はどうしても譲れない名誉や誇りのこと
僕にとっての一分は「あんこ」。
僕のあんこ好きは有名な話でかなり病的なこだわりがある。例えば中に入れるあんこは粒あん。外にぬるあんこはこしあんがいい。だからあんぱんは粒あんが好きだし、おはぎは基本的にこしあんがいい。赤福はその究極のもの。
海外旅行に行くときは必ず空港で赤福36コ入を買って、現地のホテルでマダムに隠れて夜こっそり食べる。誰か三重方向に行く人がいれば必ず赤福を買って来てもらう。ここで問題が一つでてくる。金つばとか大手まんじゅうのようなすべてあんこのものはどう扱ったらいいか? 答えはどうもしなくていい。そのまま食べたらいい。
あんこを語り始めるときりがないので今日はこの辺でやめとくが、最後に「あんこのない人生は、マダムのいない収穫月」のようなものだと思う。
さて本題に入ろう。
パンコース<中級編>は、いよいよ今月から天然酵母を使ったパンになる。5月・7月・9月と3回にわたって自分で酵母を培養する。今月はホシノ酵母、市販されている天然酵母だ。ドライイーストなみの発酵力をもっているので比較的扱いやすい。それでも気温とかに影響されやすいので注意は必要。
次回の料理講習会パンコース中級 8月22日は、小麦粉を住処とする菌で種をおこす「ルヴァン種」。もっとも根源的なパン種でフランスのパンづくりの本流。フランスのパンの伝統に敬意を表し「めんどくさい」とか「時間がかかる」とか「思うように発酵しない」とかネガティブで否定的な思考を排除しつつ取り組んでいきたい。ちなみに「ルパン三世」は全然関係ないです。
あんこ好きでござそうろう
たまに無性に金つばが食べたくなる発作が起きる。岡山に行くときは必ず御座そうろうを買うことにしている。
とりあえず10個買い、8個と2個に分けてもらう。8個はお持ち帰り用、2個は歩きながら食べる。また次の日食べる御座そうろうもいい。
少しトースターであぶって外側をカリッとして食べる。1個ずつラップして冷凍、マダムが買い物に行ったときこっそり食べる。やっぱりこういったものは一人で隠れて食べるに限る。
天然酵母のパンを作るにはこの時期が一番いいと思う。今日はシンプルな配合で食パンをメインに作ったが、米麹を原料としているのであんぱんとか和の食材も相性がいいと思う。もちろん粒あん。今日はおやき風に仕上げてみた。「あんこ好きに悪人はいない」というのが僕の持論だ。