レストランのしまい支度
はじめまして、曽野シェフ子です。ベストセラー「人生のしまい支度」の第2弾「レストランのしまい支度」を今回調子に乗って発表しました。これは経営者、特に飲食業界のオーナーさんにはバイブル的存在になると確信しています。いま商売をやめようかと迷っているあなた、必見です。
実は最近すごい店を見つけたので今回紹介します。その店は丁度半年ぐらい前にオープンした定食屋風のお店で通勤途中にあるので気にかけていました。最初は4、5品ぐらいの「〜定食」みたいのが窓の外にはってあって機会があれば入ってみようと思っていました。
2、3日後通ると定食が2〜3品増えていてがんばっているなぁと思いました。また、数日後通ると今度は単品が増えていてどんどん品数が増える一方。多分一人か二人ぐらいでやっていると思うので大丈夫かと心配してきました。
そして通るたびに品数がどんどん増えていき「モーニングはじめました」まで出る始末。これはすごすぎると思いながらも「手打ちそば」「盛岡冷麺」「石焼きビビンバ」...ともうとどまるところを知らない状態。料理のジャンルを越えて何と引出しの多いことか。ある意味入るのが恐いくらいでした。
そしてこの間、久しぶりに前を通ると何とすべてはり紙が剥がされ「アウトレット」と書かれたはり紙に。なぜか店にはすごい人だかりが。思わず車を降りてよく見ると、この店は閉店していらなくなった調理器具やら道具をたたき売っていました。
みなさん、わかっていただけたでしょうか?
まさにこれこそが理想的な店の最終形ではないでしょうか。今までの常識ならたいてい夜逃げでジ・エンドだが、ここのオーナーは最後まできれいに片付けて店を閉めたのです。まさにエコです。
オープンして店じまいまで約半年間、実に内容の濃い半年だったと思います。唯一反省点は自分の持っている引出しのものを一気に出してしまったこと。少しずつ小出しすればよかったのですが多分A型なのでしょう。熱しやすく冷めやすいのが欠点です。多分周りに注意してくれる冷静な人がいなかったのでしょう。うちのマダムのように...
最後に商売は「細く長く、泣かず飛ばず」が原則です。