Dinner

シェフはつらいぜ、フーテンの康次郎

わたくし、生まれは倉敷、中島並木町でうぶ湯につかり、姓は中原、名は康人。人呼んで「フーテンの康次郎」と申します。

「ど〜おせ、おいらはヤクザなシェフさ〜。わかっちゃいるんだ〜マダムよ〜。い〜つか立派なイケメンシェフになりたくてぇ〜、奮闘努力の甲斐もなくぅ〜、今日も〜涙のぉ〜、今日〜も涙の陽が沈む〜、陽が沈むぅ〜」

今までMぅの月を愛してくださったおぁにいさん、おぁねぇさん。どうかこれからもフーテンの康次ぃ郎ことMの月シェフぅを見捨てることなく末永くよろしく御奉り申し上げます。

今月もまたやって来ました、6月17日。
いよいよ丸11年。早いもので12年目に突入します。丁度同じ年に生まれた長女も小学校6年生。来年からは中学生です。僕も寄る年波には勝てず最近は老眼で悩んでいます。とうとう老眼鏡デビューする日も間近のようです。

昨年、10周年のイベントを大々的にやったので今年はスルーしようと密かに思っていましたが、やはりマダムには通用しませんでした。11周年スペシャルメニューを考えよという指令が下りました。

僕はいつか生まれ育ったこの地で瀬戸内海の魚介をふんだんに使い、原価に関係なく収穫月「ブイヤベース」をつくろうと密かに思っていた。

そして、その時が来たのである。

瀬戸内の豊富な魚、ワタリガニ、海老、いか、貝類... それにアニス酒、サフラン、フェンネル、そう時期的に鱧もいい。とりわけ食べる時はアイヨリやルイユを好きなだけ混ぜ入れ食べる。最後に残ったスープでリゾットやパスタをつくってもいい。

これはもう、仮に食べ損じることがあるようなら「末代までの恥さらし」になるにちがいない。今日もMの月ではテーブルの端でマダムが眉間にしわを寄せ電卓を弾きながら頭を抱えている。

なぜって?
毎年7月の支払いが大変だからなのです。それじゃあマダム、おいらはまた風の向くまま気の向くまま旅に出るぜ。体に気をつけて達者で暮らせよ〜♪

ブイヤベース

ブイヤベース

地中海の恵み豊かな南フランスでその日の網にかかった魚介を手当たり次第鍋に放り込み煮込んだ料理。

魚介から出た風味に野菜や酒、スパイスなどの風味が加わりその複雑な味わいは口では表現しづらい。

Yukako Nakahara
_Patissier
なかはらゆかこ
パティシエ
Yukako Nakahara _Patissier